太陽と月
「もう1つあった」
どこか清々しい気持ちのまま空に浮かぶ月を見ていると、不意にそんな声がかかった
パッとその声の方に向くと、南様がニッコリと笑っていた
「瀬川さんの長所」
「私の...ですか?」
「そ。それは、素直な所」
「素直..」
「真っ直ぐな所――すごくいいと思う」
横目で私を見ながら、口の端を持ち上げた南様
その姿を見て、本当に心の底から笑顔になれた
バカだな。私
何、不安になってるんだろう
こんな所で立ち止まってる場合じゃない
前に進まなきゃ
「南様も、とっても素敵ですよ」
「――本当、素直というか...鈍感というか」
「え?」
「あ、この道どっち?」
「え? あ――ここどこです?」
「――え?」
こうして、南様とのドライブは幕を閉じた