太陽と月

ポカンと口を開けて固まる私を見て、ふっと小さく息を吐いた星野支配人

真っ黒の瞳が温かく私を見下ろす




どこまでも整った顔が

どこまでも均等の取れた体が

無意識に体を熱くする




すると、すっと右手を握りしめて私に差し出した支配人

ゴツゴツした男らしい拳が私に向けられている


その姿を不思議に思って、首を傾げると




「頼んだぞ。瀬川プランナー」




そう言って、不敵に笑った星野支配人

その瞬間、ぽっと心に火がついて

すっかり冷え切っていた心が燃え出す



ゆるゆると上がる頬

緊張で、まるで浮いている様だった体が地についた


そうだ、私は1人じゃない

みんな支えてくれている



私は、ウエディングプランナーだ




「頑張りますっ」



そして、満面の笑みを浮かべて

目の前に差し出された拳に、自分の拳をぶつけた
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