太陽と月
「大丈夫です」
「――そうか」
噛み合っている様な、噛み合っていない様な会話
バクバクと心臓が鳴って、体温が上がる
それでも、ぐっと両手に力を入れて
大西主任の大きな瞳をじっと見つめた
「この前の約束...私忘れてませんから」
「――」
「この結婚式が成功したら――私を、見て下さい」
微かに震える唇で、そう言う
微かに瞳を細めた大西主任だったけど、何も言わずに私を見つめた
そんな中、視界の端に見覚えのある車が駐車場に入ってくる
その姿を捕らえて、勢いよく息を吸った
「覚悟しておいてくださいよっ!! 主任!!」
まるで捨て台詞の様にそう言って、主任に背を向けて走り出した
「いらっしゃいませ!! おめでとうございます!!」
―――さぁ。始まりだ