太陽と月


そんな私を見て、ふっと小さく笑った主任

そして、ゆっくりと私に手を伸ばして目の縁の涙を優しく拭ってくれた



温かくって、大きな手が涙をすくう

そして、頬に流れた涙もそのまま拭ってくれた



やさしく細められた瞳と

柔らかく弧を描いた口



すると、私よりずっと高い背をゆっくりと屈めた主任

そして、私と同じ目線の所で止まって








「瀬川が好きって事」







そう言った
< 272 / 353 >

この作品をシェア

pagetop