太陽と月
涙が止めどなく頬を伝う
今現実に起こっている事が信じられなくて、体が固まってしまっている
そんな私を見て、もう一度口を開いた主任
「俺と付き合って」
ずっとずっと欲しかった言葉が降り注ぐ
夢にまで見た未来
それが今、現実に目の前で起こっている
震えそうな手で、目の前の綺麗に束ねられた真っ白な薔薇のブーケを手にする
芳しい香りが胸いっぱいに広がって
夢の中にいた私を現実へと引きづり出す
目の前には、愛しい人
誰よりも誰よりも、欲しかった人
受け取ったブーケを一度胸に抱いて、私はゆっくと、その中から一輪の薔薇を抜き取った
そして、目の前にいる主任の胸にすっと差し込んだ
「よろしく...お願いします――主任」
最後の声は震えていた
それでも、涙の上で主任を見上げると優しく微笑む主任がいた