太陽と月



「しゅにん~~~っ!!」



まるで子供の様にそう言って、ブーケの中に顔を埋める



もう信じられなくて

今起こっている事が、まるで夢の様で



すると、肩を震わせて泣く私の頬にそっと大きな手が添えられる

顎先を優しく持ち上げられて上を向くと、大好きな顔がそこにあった




「泣き虫」

「だってっ」




クスクス笑った後に、チュッと小さく私の瞼にキスを落とした主任

いきなりの事で固まった私は、泣く事も忘れて目を見開いた



鼻がくっつきそうな程、お互いの顔を突き合わせて、見つめ合う


大きな瞳に涙を流す自分が映っている

私だけが映っている

その事実に、また涙の量が増した


そして、お互い求めあう様にゆっくりと唇を重ねた



温かくて柔らかい唇

少しだけ涙の味がする中で、ゆっくりと唇が離れていく



息をする事も忘れてしまいそうな世界の中で、主任が太陽みたいな笑顔で微笑んだ



私の大好きな笑顔

温かい、陽だまりの様な笑顔



つられるようにして微笑んだ私を見て、吐息の上で主任は小さく囁いた
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