太陽と月




◇◇◇




「――すいません」




本日何度目の、すいません。だろう



私の手元を見て、苦笑いしている大西主任

言葉を失うとは、この事だろう




「――慣れるまで、地道に頑張ろうか」




そう言って、私を励ましてくれる優しい主任

それでも手元にある、なんとも不細工なナフキン達を見て思わず大きな溜息が出た



披露宴で使うナフキン達

だいたいは業者の人が初めからリクエストに応じて折ってくれる事が多いが

自分達で折ったりする事もあるという事で、教えてもらった



薔薇の形だったり

扇の形だったり

いろいろ



簡単なものから教えてもらったにも関わらず、何1つ形にならないナフキン

私の隣に座って、同じように折っていた大西主任の目の前には、綺麗に折られた薔薇のナフキンが陳列してある


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