太陽と月


胸が痛くて、思わず手を当てた

その胸の痛みを探る様に

その奥にいる人を探す様に


そして、思い当たる―――




――・・・あぁ、そうか

彼女は俺にとっての太陽だった

そして、空気の様な存在だった



だから、いなくなると

こんなにも息苦しいんだ



甦る、楽しかった思い出の中で

俺は何度も何度も彼女に恋をする

色褪せない様に、大切に胸に仕舞い込んだ思い出を

俺は今も宝物の様に大切に仕舞っている




本当はドレスに身を包んだ綺麗な彼女を見ていたいのに

おめでとう。と一言、言ってあげたいのに



胸が張り裂けそうで、思わず目を背けた



その途端に、地面にできる小さな水の痕

ポタポタと小さな円を作って、地面に染みを作った



俯くまで気が付かなかった

どうしてだろう




泣いていた





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