太陽と月
愛しい人は、きっとこれからも彼女だけで
俺の心の中に住める人も、彼女だけ
こんなにも愛しいと感じた人は初めてだった
誰よりも、側にいたいと
誰よりも、守ってあげたいと
誰よりも、笑顔を見ていたいと
誰よりも、一緒の未来をと願った人――
だから、最初で最後の恋だと思った
でも、この想いは誰にも気づかれてはいけない
悟られてはいけない
俺の胸の内だけで、生きられる恋
一生胸に仕舞い続けなければいけない恋
ふと視線を下げて、地面に落ちた薔薇の花びらを一枚拾い上げる
俺の手から滑り落ちた、彼女との思い出のカケラ
それをギュッと握りしめて、一度強く瞳を閉じた