太陽と月

悔し涙




初めての、本当の恋だった

初めての、気持ちだった




こんなにも愛しいと思えた人も

こんなにも守りたいと思えた人も

こんなにも側にいたいと思えた人も



彼女が初めてだった――












止む事のない祝いの席は夜まで続く

飛び交う笑い声と祝いの言葉の中で一人、どこかに取り残されたような気分になる



まるで2人で1つの様にずっと隣で寄り添う2人

そんな中で何度も垣間見る、俺の見た事のない彼女の笑顔



その度に、狂ってしまいそうになる

俺の心の汚い部分が、何度も何度も俺を暗闇の中に引きづりこむ

そんな事に耐えられなくて、ゆっくりと席を立った





「あれ? 大西もう帰るの?」

「――すいません。実はあまり体調が良くなくて。みんなにうつすと大変なんで、お先に失礼しますね」




逃げる様に扉に手をかけた所を莉奈さんに止められた

それでも、振り向かずにそう言った俺の言葉を聞いて、莉奈さんは何も言わなかった




そして、返事を待つ事なく

俺は幸せに満ちた会場を後にした


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