太陽と月
あのまま、勢いに任せて入ったホテルのベットに彼女を押し倒した
クスクスと笑う彼女の顔を見ない様にして
煌々と点いていた電気をすぐに消した
「何ぃ? 恥ずかしいの?」
細い首を傾げてそう言った女性に、ふっと小さく笑って言う
「見たくないだけ」
「え?」
俺の言葉の意味を理解する前に、その唇を塞ぐ
抱きしめた途端に香る香水に
一気に胸が締め付けられる
閉じた瞳の中で、彼女を想う
太陽みたいな笑顔と
優しい、俺を呼ぶ声
愛しくて愛しくて
涙が出るほど、好きな人―――
打ち寄せる快感に、声を上げそうになる彼女の唇を塞いで
己の欲望のままに抱く
ギシギシと音を立てるベットの上で俺を見上げた女性
暗闇の中で浮かび上がる、その姿が
一瞬、彼女と重なって目を細めた
狂ってしまいそうな心で、いるはずもない人の名前を
呼ぶ
「――・・・悠理さん」