太陽と月
二つの命
悠理さんの結婚式から数日
2人がハネムーンから帰ってきてから、再びうちの会場は通常通りの風景に戻った
結婚しても、仕事を続けている彼女
それは、俺だけではなく
この会場すべての人が喜んだ
そこにいるだけで周りを温かくする彼女は
きっと、この会場の太陽だ――
「大西くん、この前の営業計画書良かったよ」
「本当ですか!?」
「うん。私も見習いたいくらい」
他愛もない会話
それでも、一緒の空間で
一緒に生きていられる
それだけで、俺は幸せだった
職場という、一日の大半を過ごす場所で彼女に会えるという事は
彼女と無条件に会えるという事
それは、俺にとってどんなに嬉しい事か
ずっと、こんな日々が続けばいいのに
例え、彼女がもう誰かのものでも
会えるだけでいい
側で笑っていてくれれば――
そう思っていた
――だけど、俺は分かっていなかった
結婚。
と、いう事を