太陽と月






「――・・・悠理さ―ん」




あの日は、お客様からの電話があって彼女を探している時だった



どこを探しても、電話にも出ない彼女を探して

会社の中をウロウロと探し回っていた



すると




「大西くん」



どこからともなく聞こえた声



その声に弾ける様に辺りを見渡したけど、彼女の姿はどこにもない

不思議に思いながらも、キョロキョロと左右に顔を動かしていると




「あははっ、こっちこっち!!」

「え?」

「上、上!!」




そう言われて、反射的に上を向くと




「もう、笑い堪えるの大変だったんだから」




そう言って、悪戯っ子の様に微笑む彼女がいた



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