太陽と月
――不幸中の幸い
落ちた所が地面から近い場所だったから、難なく俺は彼女を受け止めた
俺の腕の中に飛び込んでくる、まるで羽の様に軽い彼女
途端に、彼女から香る甘い香りが胸を締め付ける
絹の様な髪が一瞬目の前に広がって
そして、その背中に戻って行った
そんな中、一歩後ろに下がった瞬間バランスを崩した俺は無様にも尻から崩れ落ちた
それでも、決して彼女を落とさない様にと強く抱きしめた俺
「だっ...大丈夫ですか?!」
尻に広がる地味な痛みと共に、腕の中にスッポリ収まった彼女を覗き込むと、肩が微かに揺れている
一気に不安になって、勢いよくもう一度問いかけると
「――あはははっ」
弾ける様に顔を上げた彼女が、ケラケラと笑い出した
その表情を見て、訳が分からずポカンと口を開けた俺