太陽と月



「ふっ、ゴメン...大西くん、大丈夫だった...ふふっ」



笑い声を噛み殺しながら、そう言う彼女

すると、その表情に俺もつられる様にして笑いが込みあがってきた




「も~驚かせないで下さいよ」

「あははっ。ビックリした~」

「びっくりしたのは俺ですよ」

「そうだよねっ、あははははっ」




俺の腕の中でケラケラと笑う悠理さん

その屈託のない笑顔に、胸が温かくなる




「今度、もっと頑丈なハシゴ買いましょうか」

「そうだね。また落ちたら大変だもんね」

「余所見するからですよ」

「してないよ」

「しました」

「してない」




顔を見合わせて言い合う俺達

それでも、ふっと目が合った瞬間




「あははははっ」




お腹を抱えて笑った


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