太陽と月
どこまでも続く青い空
白い雲が、ゆっくりと流れていく
あの雲はどこへ行くんだろう
風に乗って、彼女の元までいくだろうか
だったら、この気持ちを一緒に乗せて行って欲しい
季節が巡る度に増える、この気持ちを
会いたい――
何度も湧き上がる気持ちに蓋をする事ができなくて
目頭が熱くなる
小さな思い出に触れる度に
彼女と見た景色を見る度に
どうしようもなく、会いたくなる
泣きたくなる
会いたくて、堪らない
抱きしめたくて、堪らない
名前を呼びたくて、堪らない
壊れてしまいそうな心が悲鳴を上げるのに
世界は穏やかななままで、何故か俺だけ別の世界にいる様な感覚になる
「悠理さん…」
呟いた声は風に乗って消える
胸に小さな痛みを残して、消えた