太陽と月
一度深く息を吐いて、空を見上げる
真っ青な空は、綺麗なはずなのに
心が動かない
遠くの方で、真っ白なウエディングドレスに身を包んだ新婦が見える
幸せそうに微笑んで
隣に寄り添う新郎に笑みを送っている
微笑ましいはずの、その光景も
幸せに満ちているだろう、その光景も
今の俺には、苦しいだけ
あの日見た、天使の様な彼女の姿が甦る
手を取り合う2人が脳裏に浮かぶ
「プランナー失格だな」
自嘲気に笑った小さな声が
花びらと一緒に舞って
消えた―――