太陽と月


「あれか」



まるで小動物の様にチョロチョロと動く彼女

その様子がなんだか可笑しくて、思わず笑ってしまう




ゆっくりと近づいていくと、やっぱり写真のあの子だと思って、声を掛けようとする

それでも、俺の存在に全く気付いていない彼女は、ブツブツと何か言いながら羨望の眼差しで会場の外を掃除する飯島部長の姿を見ている



しまいには、ガッカリした様子で自分の体を上から見下ろし

胸を両手で掴んで、深い溜息を吐いた



コロコロと変わる表情

何を考えているか手に取る様に分かった



その様子を見て、思わず吹き出しそうになった俺は

急いで口元に手をやった



それでも自分の世界に入っているであろう彼女が、まるで自分を励ます様に小さくガッツポーズをして顔を上げた

しかし、何故か再びフリーズした様に動きを止めた彼女を見て、思わず声をかけた

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