太陽と月


「あれ? 終わった?」



じっと会場を見つめる彼女に、そう声をかける

すると、面白いくらいその場で飛び上がった彼女が、勢いよくこっちに振り向いた




まだ、あどけなさが残る少女の様な顔

透き通った肌に、パッチリとした瞳がパチパチと何度か瞬きを繰り返す




「いつ声かけようか迷ったんだけど、もういいかな?」




そう問いかけたけど、彼女は未だにフリーズしている様で、固まったまま俺の姿をじっと見つめている




「えっと...?」




人違いだったか? と思って、首を傾げながら、少し不安気に声を落とす

すると




「なっ何でしょう!?」




まるで弾かれる様に背筋を伸ばして、そう言った彼女

どこか声が上ずっている



それが気に食わなかったのか、今度は正しい声で、もう一度そう言った彼女
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