太陽と月


だからこそ、目に見えない猛烈なプレッシャーが、私の気分を悪くする

なぜか吐き気まで襲ってきそうで、グッと目を閉じた




失敗したら、どうしよう―――




考えてはいけないけど、そんな事を考えてしまう

ポケットの中には、昨日の夜に何度もシュミレーションした結婚式の進行表

そして、今まで教えてもらった事のメモ書き



実際私が仕切って結婚式を進めるわけじゃないけど

ものすごく緊張する



それに比べって、大西主任は逆にとっても楽しそう

まるで、早くやりたくてウズウズしている子供みたいだ



緊張しすぎて足が震えそうな中

チラリと主任を横目で見ると、腕時計に目を落としている



そして、一度小さく息を吐いた後、顔を上げた




「時間だ」




そう言って、新婦控室に視線を投げた主任の顔は

始めて見るくらい、凛としていた


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