太陽と月

天上まで届きそうなチャペルの扉を静かに閉める

その隙間から見える、新郎新婦の背中を見届けて、小さく息を吐いた




すると、反対側の扉を持っていた大西主任がニッコリと笑う

応える様にして微笑んだ私を見て



「この仕事を選んでよかったでしょ?」



そう言った





感動を胸に仕舞い込んでから、再びバタバタと披露宴会場に向かう

この時思った事



プランナーって、こんなに走るんだ・・・



カツカツとヒールを鳴らして、もはや全力疾走

バタバタと披露宴会場の中に大西主任の後ろに並んで飛び込む




「挙式入りました。シャンパンの用意、急いで」




入るや否や、配膳のバイトの人達に指示を送る主任

その後ろを金魚のフンの様にくっついて、大西主任の様子を伺う



と言っても、もはやついていくのがやっとの私は、頭がパンク状態だ

< 50 / 353 >

この作品をシェア

pagetop