太陽と月


まぁ、その前に

どうしてこんなお洒落なイタリアンのレストランに、大西主任と2人でいるかと言うと―――・・・


簡単にまとめれば

駐車場で安堵の為に腰を抜かした私を見て、大西主任がご飯に誘ってくれたんだ




「瀬川、夜飯は?」

「ま..まだですけど」

「よし。美味いもんでも食いに行くか」

「え!? でも..主任お疲れじゃ..」



チラリと時計を見ると、すでに12時前

ご飯なんて食べてないで、さっさと寝て休んだ方が――



そう思った所で、全く空気の読めていない私のお腹がご丁寧にも爆音で鳴った

静かな駐車場に響く、なんとも恥ずかしい音



一瞬の静寂の後――




「ぷっ―――あははは、お腹は素直だな」

「す...すいません」

「お昼も食べさせてあげられなかったし――よし、美味いイタリアンの店があるんだ。行くぞ」



真っ赤な顔で俯く私にニッコリと笑いかけて、大西主任が自分の車まで歩きだす

その後ろ姿を追う様に、私も急いで立ち上がった
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