太陽と月


「頑張りすぎです、主任は。もっと気楽にしていいと思います」



そう言って、少しだけ残っていたワインをグイッと飲んで、勢いよくテーブルに置く

今まであまり飲んだ事ないワインだけど、とっても美味しくってどれだけでも入っていく


そんな私を見て、目を真ん丸にして口を開けている主任

そして




「あはははっ、本当瀬川って素直っていうか、汚れてないよね」

「えっ?」

「いや、なんか――いいと思うよ」



ケタケタとお腹を押さえて笑う大西主任

大きな瞳を歪ませて、少し子供みたいな顔で笑っている




「褒めてるんですか? けなしてるんですか?」

「いや、褒めてるよ」



息も絶え絶えな主任が、ゆっくりと息を整えながら、テーブルに頬杖をついた



大きな瞳がどこか涙で潤んでいる

端正な顔つきの中に、どこか猫みたいに可愛らしい顔



コロコロと表情を変える中でも

太陽みたいに温かい大西主任



優しく包まれている様な感覚になる
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