太陽と月
「ありがとう」
思わず見惚れてしまった私に、頬杖をついたまま大西主任が小さく呟く
優しく細められた瞳が温かい
「ゆっくりと、もう少し頑張ってみるよ」
「――は...い」
「じゃ、ピザおかわり」
「え!? まだ食べるんですか!?」
「俺まだ1枚も食べてないんだけど」
「え!?」
「あ、すいません、これ1つ追加で」
サラリとそんな事を言われて、まさかと思う
チラリと卓の上を見ると、大西主任の取皿は綺麗まっさら
それに反して、私の取皿はチーズやらトマトソースがついている
あぁ…
あまりにも美味しいから夢中で全部食べてたんだ
「すっすいません!!」
「いいよ。そんなに美味そうに食べる姿見れて、なんだか得した気分だから」
ニヤニヤと悪戯っ子の様に笑う主任
その表情を見て、しゅるしゅると風船が縮む様に小さくなった