太陽と月


「私の…カラーか‥」



そう言われて、確かにと思った

今日で4件営業でお客様の元に周ったけど、話してる内容や大西主任の話し方は微妙にどれも違った



ものすごく明るかったり

少し落ち着いた感じだったり

それはお客様のタイプに合わせて、話していたんだ




「なんだかカメレオンみたいですね」

「あははっ! なにそれ、初めて言われた」

「奥が深いですね、営業も」

「瀬川ってたまに年寄みたいな事言うよね」



ケタケタと笑う大西主任を横目に睨みつけて、胸に抱いていたノートチラリと見る



私色のカラーか...



こんなドジな私でも、誰かの結婚式を作る事ができるのかな

でも、大西主任や先輩達を見ていると思う



私もやってみたいって



本当に楽しそうに仕事をするから

楽しくて楽しくて仕方ないって、体中から出てる



「私も..なれるかな」



小さく呟いた言葉に、大西主任はただ微笑んでいた
< 78 / 353 >

この作品をシェア

pagetop