太陽と月
「え..ちょ...大丈夫?」
案の定、笑いを噛み潰した様な顔で私を見下ろす大西主任
笑ってはいけないと一応頭の中で思っているのだろうか、肩が小刻みに震えている
「大丈夫です!! 何でしょう!?」
もはや苦し紛れ
大きな声を出して、何もなかった事にした
「できた?」
「え!? あ..途中まで」
「見せて」
猛烈に仕事の遅い私
きっとみんなの倍は時間がかかっている
一緒に残ってもらってる大西主任に申し訳ない
カチカチと時計の針の音が聞こえる
シンとした事務所の中で私の書いた書類を見る大西主任をじっと見つめる
端正な顔つきに、しっかりした体
スーツのおかげか、もともとそうなのか
スタイルも良い
腕まくりしたシャツの下から見える筋肉質な腕と
キラリと上品に光る時計が、なんだか大人の男性を想わせる