太陽と月
再び足を踏み入れた事務所には書類やら小物が散らかっていた
その光景に情けない気持ちになるが、ガサガサという音で我に返る
ふと事務所の端に目をやると、腕まくりしたスーツ姿でしゃがみ込み、書類を片付けている大西主任がいた
その大きな背中を見て急いで駆け寄る
「すいませんっ」
「いいよ。それより、倒れた時怪我はなかった?」
「だ‥大丈夫です」
そう言った私に安堵の表情を向けてから、床に散らばった書類をガサガサとかき集めている大西主任
その隣に同じ様に座り込んで、散らばった書類を集めた
「結構昔の書類もあるな」
「あ、本当ですね。これなんて、えっと...8年前のものです」
「古い書類を整理しなきゃと思ってたから、ちょうどよかったのかもな」
そう言って、手際の良い手さばきで書類を片付けていく大西主任
その両脇には既に仕訳された書類が小さなタワーの様に2つ並んでいる
トロイ私はちっとも進んでおらず、その光景を見て急いで手を早めた
その時
「藍原...悠理?」
拾い上げた1つのハガキに目がいく
そして、そこにに書かれている名前を読み上げた