太陽と月
◇
「はい。コレ」
倉庫の中から冬に使っているらしい、お客様用のひざ掛けを何枚か手渡される
ふかふかのそれを受け取って、倉庫を閉める主任を待つ
結局あの後、終わりの見えない片付けを諦めて、遅めの夕食を食べる事にした
すっかり空腹な事も忘れていた私だけど、出されたカップラーメンを見て、食欲が爆発した
なんでも、打合せなどで遅くなるプランナーの為に、カップラーメンがいくつか買いだめされている様だった
ご丁寧にも、カセットコンロまで用意されていた
もちろん1つじゃ足りなかった私は、あつかましくも2つ食べた
モグモグと食べる私を見て大西主任は、よ食うな。と言って笑っていた
そして、秘密で大西主任が出してきたもの
それは披露宴の時に使われているシャンパン
なんでも、披露宴中に一本開けたにも関わらず誰も飲まずに終わったものらしい
一度開けた物はもう使えずに、捨てるだけだから貰ったみたい
「星野支配人には秘密な」
そう言って、カップラーメンとシャンパンという相反する食べ物を囲んでの夕食だった