太陽と月
「うぅ~っ」
さっきまで安心しきっていたのに、一気に不安が押し寄せる
見渡す部屋には、もちろん誰もおらず
見えるのは、何故か不気味に見える鏡だけ
無理!
やっぱり怖いっ!!
1人でいるなんて、絶対無理!!!
不安と恐怖と心細さに鼻の奥がツンとする
やっとおさまった揺れを確認して
ソファーにあったクッション1つと毛布を片手に急いでドアに向かう
キィっという微かな音を立ててドアを閉める
辺りは真っ暗で、明かり1つ見当たらない
泣き出しそうな心を押さえて、隣の扉に目をやる
忍び足でゆっくりとそこまで歩き
チョコレート色の扉の前で足を止めた
本当は非常識だって分かってるけど
怖くて、このまま1人でいるなんて絶対無理っ
ぐっと唇を噛みしめて、勢いに任せて
その扉をノックした