隣の芝生は青い


「あ、撮影いかなきゃ。じゃあな」


小十郎はその容姿のおかげで大学生でありながら、最近モデルもやってるらしい。

爽やかな笑顔を残してカフェから出ていく彼に周りの女の子は目を奪われていく。

「あんな彼氏がほしい」

小十郎を見た女の子は必ずそんな言葉をつぶやく。
彼は、女の子の理想の彼氏像なのだ。(性格はおいといて)


こんな幼馴染がいながら、なんで私ってこうなんだろうと思う。
違いすぎるからこそ、私は小十郎とは仲がいいのかもしれない。



しばらくして私もカフェをでた。


道路に沿って植えられた木々は色を変え始めた。季節は秋に変わろうとしている。





「あれ?芽衣子?」


斜め後ろから私を呼ぶ声。
その声を聴いた瞬間私の神経がすべて声のするほうへ集中する。




「やっぱり芽衣子だ。久しぶり。」









「・・・・・久しぶり。仁(じん)」








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