2番目は変わらない

出会い

「…よしっ…
行ってきます!」

仏壇にある父親の写真に
あいさつをして
家を出た。

今日は
本命の金沢商事の面接。

これまで面接は数多く
受けてきたけど
内定をもらいたいは
この金沢商事。

小さい頃からの
夢だった。

私が受ける金沢商事は
小さな旅行代理店。

会社は小さいけれど
価格は納得の金額で
内容も充実している。

旅行好きの人で
知っている人は
この代理店を
よく利用するらしい。

私も小さい時に
ここを利用して
家族旅行をした。

お父さんが
まだ、この世にいて
お母さんが
男と逃げる前の事だけど

そして、
そこで出会った人。

小さい私だけど
「大好き」って
思ってしまった。

恋愛感情で
会社を選ぶのは
間違ってると思う。

けど、
それだけじゃない。

そこの人達が親切で
親身になってくれた。

大きくなるにつれて、
「私はここで働く」って
決めていた。

「お父さん。
勇気をください。」

心の中で
お父さんに願い、祈る。

面接ってのも大切だけど
今日はお父さんの
誕生日でもある。

だから、なんか
受かりそうな気がする。

いざ、戦場へ!笑
< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop