2番目は変わらない
ピンポーン…

「…もう、何なのよ!?」

私はドアを開けた。
そこに立っていたのは母ではなく
孝さんだった。

「あ、すみません。人が来てたので…」

「そうなん。今は大丈夫?」

私は頷いた。
本当は一人でいたいんだけど。

「本当は一人でおりたかろうけど
溜め込んどったら、体に悪いけん、」

って、頭をポンポンってしてくれた。

頭を撫でられるのなんて久しぶりで
手の大きさがお父さんと同じくらいで
そう思ったら涙が溢れてきた。

「よう我慢しとったね」

お父さんが亡くなった日
もう泣くのはやめようと誓った、のに
孝さんからの頭ポンポンで
我慢できなくなった。

「うわぁぁぁああん」

止めようと思ってもまた溢れてくる涙。
次々と想いが溢れてくる。

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