神の戯れ


 「そうだわ、私では無理だけど、あの子ならもしかしたら」


何かを思い出したように言うブレア。

妖艶に笑う彼女にアスラは首を傾げる。




 「この先北にある山頂に、力をプロテクトできるにも関わらずそれをせずに逆に力を放出してる変わり者が居るのよ」


 「プロテクトが可能なのにそれをしない?放出してるなんて自ら敵に自分の存在をアピールしているようなもの。何時標的になってもおかしくないぞ」


力を隠そうとはせず放出するなど自殺行為。

人々を挑発しているようなものだ。




 「実際の所、何度も標的になっているわ。幾度と無く人々は襲ってはきているけれど、それを全て追い返している。そんなあの子なら、変わり者同士貴方と気が合うんじゃないかしら」


 「変わり者同士って……」


溜め息を吐くアスラを目にフフッと笑うブレアは再び煙管を咥え煙を吐いた。










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