神の戯れ
「ハァ…疲れた」
5人が転げ落ちたのを確認した後、深く息を吐いたフィノは雪の上に倒れ込む。
仰向けに寝転ぶ彼女は上空からハラハラと舞い降りる雪を見つめていた。
「おい、平気なのか?」
「大丈夫。此処でこうして大人しくしていれば、直ぐに回復するから」
心配そうに彼女に声をかけるのはアスラ。
目の前で胸を撃ち抜かれ倒れていた彼女。
瀕死の状態である彼女の今の姿に疑問を抱く。
「正直な所、今回は危険だったわ。本当、死ぬんじゃないかと思った位。でもついていたわ、この地が私にとってとても相性が良い場所で。お陰でこうして生き延びる事ができたんだから」
アスラの疑問に答えるように呟くフィノ。
その言葉に納得したアスラは彼女と同じく雪の上に寝転んだ。
「此処に居ればどんな傷も完治できると言う事は、良く言えば不死身であるとも言えるな」
「…そうね」
疲れているのかアスラの言葉に短く返すフィノ。
適当に答え瞳を閉じた彼女を目にアスラはフッと鼻で笑った。
雪は音もなく降り積もる。
静かに静かに舞い降りて、あっと言う間に辺りを純白に染めあげた。