神の戯れ
それにしても、こうして見れば着物の似合う和風美人。
あの噂の雪女などという面影も無い。
力を制御できるのだから、人々の中に紛れ暮らしていけば幸せだろうにと、ご機嫌斜めなフィノを横目で盗み見るアスラは独り思う。
「「!?」」
そんな事を考えていると、後方から何かが追い抜くように1つの風が行き去った。
その風に違和感を覚えた2人。
進めていた足を止め、前方の大木へと目を向ける。
「不老不死に雪女。これは面白い。珍しい組み合わせだな」
2人が目を向ける大木の上に居たのは、漆黒のローブを身に纏う、骸骨の仮面で顔を隠した人物だった。