神の戯れ
「残念ながら、まだ死ぬ予定は無い。無駄足だったな、死神、ディー・ラモール」
「おいおい久々に会ったんだ、他にかける言葉があるだろう?」
アスラの言葉に仮面を取りフードを脱いだのは、死を司り人々の魂を狩る事を使命とした死神。
名を、ディー・ラモールと言う。
「会えて嬉しいと言えとでも?己の魂を狙う存在相手にそんな言葉をかける気にはなれない。むしろそう何度も会いたくは無いと思うのが当たり前だ」
「相変わらずつれないな、お前は。常に魂を狩る事だけを考えてる訳じゃないってのに、それしか脳のない奴みたいに言うなよ。俺だって時にはこうして何の目的もなく現れる事位するさ」
「何の目的もない、か。只単に俺達を見かけたから声をかけただけだと?」
怪訝な顔をし問うアスラに対し1つ頷き肯定の意を示す。
「滅多に見かけない顔が2つ。それも驚いた事に一緒に居るんだ、足を止めない訳が無い」
大木の上から見下ろすディー。
警戒する2人を物珍しそうに眺めていた。