神の戯れ


雲1つ無い藍色の空の中、無数の星々は音もなく静かに煌めいた。

暗闇を彩るそれは宝石の如く、その美しき神秘な輝きは絶える事は無い。




 「……」


不意に吹いた夜風に揺れる艶やかな長い髪。

乱れたその髪をかきあげる女性は城の廊下で独り夜の庭園を眺めていた。




 「ハァ……」


短く溜め息を吐き物思いに空を見上げた彼女の名はレノリア・ヴァリエ。
この世界を治める王に遣える優秀な女騎士である。




物静かな夜空を見詰める彼女の心の内には迷いがあった。


ここ数年で勃発する人と異能者との争い。


この争いは、異能者を切り捨てるという政府の考えは正しいのだろうか。


何人もの異能者と対抗し、彼等に刃を向けた彼女は王の下した命に疑問を抱く。








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