神の戯れ
静かに流れる時の中、舞った木の葉が暗闇に消えた。
冷えたドアノブを握るレノリアは1つ息を吐き早まる鼓動を落ち着かせる。
握ったドアノブをゆっくりと回し、そっと扉を押し開く。
微かな音に跳ねる心臓。
ゴクリと呑む息の音さえもやけに響く。
緊張に身を強ばらせながら部屋の中を盗み見るレノリア。
王の姿を捕らえた彼女の瞳はそれは大きく見開かれた。
(何だ…あれは……)
狭い部屋の中、不気味に輝く巨大な円柱形の水槽。
その中に浮かぶ小さな人型をした何か。
それを見つめる王はまるで愛おしい者を見るような瞳。
「…っ!?」
目の前の光景を理解できず固まったままのレノリアだったが、背後に感じた気配に咄嗟に振り返る。