俺と彼女はコルネカップル
涙がシロップにかわったら…
「 皇紀、お前明日からバイトすんだろ?似合わねぇよな~ なんで そのバイトなんだよ 」
「 はいはい、何とでも言いな!」
俺は 和久田 皇紀、高校3年、秋。
友達と遊んで別れての帰り道、俺の家は公園を通り過ぎたところにあり、ダラダラと歩いていた。
おっ、栗落ちてんじゃん!
あのバイトの何が悪いんだっつーの!好きでやるんだからほっとけよな~
内心 一人ブツブツと文句言いながら携帯で時間を見ると、9時。
公園の入り口から見えた男女の人影に気づいてチラチラ見ながら歩いていた。
歩く速度をわざと落としていくと、カップルらしき男女から声が聞こえてきた。
「 ひどいよっ!!」
えっ? なに、ケンカか?
「 だから、別れるんだろ!」
は… 彼女置いてくのか?
彼氏らしき男は彼女やわ置いて行ってしまった。
俺の予想では別れ話だったとみる。
彼女はまだ、立ち尽くしたままで動かない。
なぜだか気になった。
別れを見てしまっては関係ないはずの俺は妙な気分だった。
突然、彼女は俺のいる方へと歩いてくる。
やべぇ、見てたってバレバレだな…
でも彼女は俺に気づいているのかいないのか、俺の目の前をスッと横切って行ってしまった。
見えたのは彼女の目から流れていた涙だけ。
泣いてたな… そりゃ泣くよな、別れたんだから。辛いよな…
だからといって追いかけてもしかたがない、声をかけるわけにもいかない。
俺は 気になったまま自宅に帰っていった。