俺と彼女はコルネカップル
彼女ナシの俺は 普通に女の子の気持ちはわからない。
自分の気持ちだけはわかる。
男なんて 単純なもんだけど、たまには俺だって悩む。
明日からバイトかぁ…
行きたい専門学校も決まってるし、いい勉強だよな。
翌日、土曜日。
この日から土日をメインにバイトする事が決まっている。
店はケーキ屋だ。
そう、俺は甘い物好きで 将来の夢はパティシエなんだ。
お気に入りのケーキ屋にバイト募集の貼り紙を見た時はチャンスだと思った。
夢も兼ねているから即採用になり、今からその店にいく。
「 おはようございます! 和久田 皇紀です、よろしくお願いしますっ」
男らしく挨拶した。
店員に厨房へと通されて、見ればパティシエがケーキを作っていた。
一瞬、あれ?と思った。
この人… 似てないか?昨日の人に…
「 あの、和久田 皇紀です、何をすればいいっすか?」
「 おはよう、こっち来て。今日はお昼まで私のそばに居て見ててね」
はい。と返事をして、邪魔にならないよう後ろへ下がり手元を見ては顔を見る。
やっぱ似てる…よな?
「 あの、パティシエなんすよね?あと、名前教えてもらえます?」
俺に振り向きもせず、黙々と手を動かしながら彼女は答えた。
「 永田 咲里 (さり) よ、大学二年。私はまだ見習いだから、気は使わなくていいよ。同じバイトだしね 」
咲里… 大学生なんだ、ふぅん。
じゃあ昨日の彼氏は? スーツ着てたけど… って聞いたらどうかな、違ってたらマズイよな…
俺は昨日見た彼女の涙が忘れられなかったんだと思う。
だから、気になってるんだ。