俺と彼女はコルネカップル
二人でジュースやピザを頼んで食べながら何となく咲里が元気ないように見えて聞いてみた。
「 咲里さん、なんか暗くない?単位でも落とした?」
「 違うよ~ そんなドジしないから。たださ… 見たくないものを見ちゃったからかな、ごめんね 」
見たくないものを見た?なんだそれ…
口数が減っていく咲里が気になって、どんな物を見たのかと聞いてみた。
「 私… 付き合ってた人がいたんだけど、二股でさ… 問い詰めたらフラれて… 私じゃない本命がいたんだよね、バカみたいでしょ 」
あ… それって公園の?じゃあやっぱり咲里さんだったのか?
「 それ、2ヶ月前くらい?公園、だったりする?」
えっ?と、俺を見て何かに気づいたようにソファの背もたれに力なくしている咲里。
間違いではなかった。
初めて会った時 似てると思ってはいたが、咲里本人だった。
咲里は 涙を溜めていた。
「 咲里さん、ごめん。俺、あの日見たんだ… 別れるとこ。似てると思ったけど、やっぱり咲里さんだったんだ 」
「 やだなぁ、見られてたんだ… 」
バツが悪い。
涙が溢れそうになっている咲里に何も言えない、何も出来ない。
どうしていいかわからないんだ。
ハンカチ… 持ってねぇし、なに俺!最悪じゃん。
何も出来ない事に腹が立った。
咲里から見ればガキに見えるだろうが、俺だってちゃんと男なんだよ。
なのに、俺は……
情けない。