俺と彼女はコルネカップル

意外と自分の単純さにあきれる。

咲里が気になり、勝手に動揺して、好きなんだと自覚してしまうとドキドキが止まらない。

俺は女の子の気持ちが少しはわかった気がした。

咲里は俺の事なんて何とも思ってないだろう。
でも俺には こうして店で一緒にケーキを作っている時間が好きだ。

咲里の気持ちはわからないが、少なくとも俺には気を許してくれてるのは未熟な俺でもわかる。

店が閉店してから片付けをして、店主が作って余ったコルネをくれた。

俺は咲里と一緒にコルネを持って公園まで来ていた。

この公園は咲里が彼氏と別れた場所だ。
平気なのかと気にしていたが、咲里がここに来たから何も言えない。

「 ここでコルネ食べよ 」

そう言ってブランコに座った咲里の隣のブランコに俺も座ってコルネを分けあった。

「 皇紀くん、私コルネみたいな恋がしたい。」

ハァ?コルネみたいな恋って、おかしな事言うな~

「 甘いじゃん、クリームたっぷりだし、このコルネの何がいいんだ?」

咲里は大きくため息を吐いて俺をじっと見た。

「 なに、その目~ わかってないなぁコイツ、とか思ってるだろ?」

「 うん、思ってる」

ははは、当たりかよ!

「 コルネって見た目平凡だけど、甘いクリームをパイ生地が優しくしっかり、逃がさないように包み込んでるんだよ?甘さをパイが抑えてて、一緒にだからいいの。余計なものがなくてシンプル。それがいいの、相性みたいなものよ 」

ふぅん。なるほど… 聞けば納得だな。



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