旅
「由美ー?」
勇さんにゆわれハッと我に帰った。
「なっ何?」
「聞いてなかったね~?」
「ごめんっ」
「好きだってゆってんの」
そうゆってキスをした。
「でもごめんっ。ちゃんと話とかなきゃいけないことあって…」
いきなり空気が重くなった。
「なに?」
「これゆって気持ち変わってもいいから…でも俺由美のコト本気で好きだから…」
あまりに真剣な目ですこし驚いた。
でも笑っていられる話ぢゃないことくらい分かってた。
怖かった。
手放したくない。
だから抱き締めた。
「ゆって。なんとなくだけど分かってるからゆって。あたしだって本当に好きだから伝えたの。じゃなかったら今頃別の人といるよ」
泣きそう。
勇を抱き締めた腕が震えた。
「俺…実は……2回結婚失敗してるさ……」
あたしは何て話せばいいのか分からなくて強く抱き締めた。
「子供も会えないのが2人いる…」
覚悟してたコトより
苦しかった。
でもそれ以上に
勇の目に涙がこぼれたのに
よけい胸が苦しくなった。