「由美ー?」
勇さんにゆわれハッと我に帰った。
「なっ何?」
「聞いてなかったね~?」
「ごめんっ」

「好きだってゆってんの」
そうゆってキスをした。

「でもごめんっ。ちゃんと話とかなきゃいけないことあって…」

いきなり空気が重くなった。

「なに?」

「これゆって気持ち変わってもいいから…でも俺由美のコト本気で好きだから…」

あまりに真剣な目ですこし驚いた。
でも笑っていられる話ぢゃないことくらい分かってた。

怖かった。
手放したくない。

だから抱き締めた。


「ゆって。なんとなくだけど分かってるからゆって。あたしだって本当に好きだから伝えたの。じゃなかったら今頃別の人といるよ」

泣きそう。
勇を抱き締めた腕が震えた。



「俺…実は……2回結婚失敗してるさ……」

あたしは何て話せばいいのか分からなくて強く抱き締めた。




「子供も会えないのが2人いる…」



覚悟してたコトより
苦しかった。


でもそれ以上に
勇の目に涙がこぼれたのに
よけい胸が苦しくなった。

< 15 / 18 >

この作品をシェア

pagetop