赤鼻とセイント・ミルクティ
くるみのいろ
ピカピカと輝く金色の光に彩られた、駅前のショップのショーウインドウ。
黒いコートを着こなすマネキンの首に巻かれた、ミルクティ色の愛らしいマフラーに、思わず目を奪われる。
ほっぺたがひりひりするくらい、空気が冷たい寒空の下。
身体の奥がほんのりと温まったような気がしたのは、きっと他でもない、あの人の顔が浮かんできたから。
(うわあ……これ、)
すごくすごく、彼女に似合いそう。
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