赤鼻とセイント・ミルクティ
 


「のりくんのりくん! 雪、きれいだよ!」


夜空を見上げて、子供みたいにはしゃぐ胡桃さん。
制服とエプロンしか身につけていない彼女の頬は、外の寒さで桃色に染まり、

(……鼻も赤くなってるし)


俺はくすりと笑い、彼女の隣でひらひらと舞う粉雪を眺めた。



甘いミルクティもドレンチェリーのジンジャーマンも、胡桃さんの作るものは全部彼女の化身なんだ。

ベルを鳴らせば、すぐに走ってきてくれる。小さなソリに、溢れるくらいの愛を乗せて。
あたたかいうちに、みんなに届けられるように。

だから、俺も。


「胡桃さん、」

「なあに?」

「俺からも後で、プレゼントがあるんです」


金色の輝きの中で見つけた、あのふわふわのミルクティみたいに。あなたに似合うように、

いつか、きっと。






 * Merry X'mas,
 and Happy Milk Tea!*

-END-


 
< 15 / 16 >

この作品をシェア

pagetop