赤鼻とセイント・ミルクティ
「のりくんのりくん! 雪、きれいだよ!」
夜空を見上げて、子供みたいにはしゃぐ胡桃さん。
制服とエプロンしか身につけていない彼女の頬は、外の寒さで桃色に染まり、
(……鼻も赤くなってるし)
俺はくすりと笑い、彼女の隣でひらひらと舞う粉雪を眺めた。
甘いミルクティもドレンチェリーのジンジャーマンも、胡桃さんの作るものは全部彼女の化身なんだ。
ベルを鳴らせば、すぐに走ってきてくれる。小さなソリに、溢れるくらいの愛を乗せて。
あたたかいうちに、みんなに届けられるように。
だから、俺も。
「胡桃さん、」
「なあに?」
「俺からも後で、プレゼントがあるんです」
金色の輝きの中で見つけた、あのふわふわのミルクティみたいに。あなたに似合うように、
いつか、きっと。
* Merry X'mas,
and Happy Milk Tea!*
-END-