貴方をくれなきゃ悪戯するよ?【ハロウィン短編】
「…んう…っ」
唇に温かいものが触れて、それが晴樹の唇だとわかった瞬間、
顔だけでは収まりきらず、もう身体全体が熱くなる。
ファーストキスの味はレモンの味…、なんて言ったりするけど、
そんなこと考えている余裕なんてない。
唇が離れたあとも、ぼーっとする私の頭を撫でると
「おやすみ。」
そう言って、布団に潜り込む。
晴樹の顔も、少しだけ赤かった気がして嬉しくなる。
「おやすみなさい。」
反対側を向いてしまった晴樹の背中に私の背中をくっつけて
幸せな気分を抱えたまま、そう返して目を閉じた。
~ f i n ~