貴方をくれなきゃ悪戯するよ?【ハロウィン短編】
それと同時に自分のやろうとしていたことの大胆さに気付き、
恥ずかしさが一気に押し寄せてきて顔を手で覆う。
沈黙さえも恥ずかしさを増幅させて。
だからキーボードを叩く音が聞こえだしたとき、
落胆よりも安堵で詰めていた息を吐き出した。
付き合い始めて一年が経つけれど、
まだえっちどころか、キスだってしていない。
やっぱりわたしには、色気が足りないのかな…。
じわりと浮かんだ涙を瞬きで消して、
両腕を斜め上に伸ばして起き上がろうとする。