Since we were born
ゆうきの目からは涙が溢れていて、両手をつかんで見ると、擦りむいたところから血が出てて私は慌ててハンカチを当てた。



「ゆう君、ごめん‼」

「……め…ん……さい」

「手が痛いの?」



なだめるつもりだった言葉は余計にゆうきを泣かしてしまった。



「さっちゃん……ごめん…なさいっ‼
…さっちゃんをおこらせちゃったよぉ。」



ゆうきはごめんねと何度もむせび泣いた。



怪我が痛いのではなく、ゆうきは私を怒らせたことに謝っていたのだ。


その時、子供ながらに私は罪悪感で一杯だったのを覚えている。

だから気付いたら私も泣きながらゆうきに謝っていた。
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