最大の出来事
璃穏が強く育実の腕を引っ張ったので、彼の腕の中に入ってしまった。
出入口を行き来する他の客達が二人のことをじろじろと見ていることに全く気づいていなかった。
「育ちゃん・・・・・・」
「はい・・・・・・」
ちゃんと前を見て歩くように注意をされてから、二人でスーパーの中に入った。
果物や野菜は高いものばかりなので、必要な野菜だけを買い物籠に入れた。
「高いね・・・・・・」
「そうだね。育ちゃん、豆腐は入れないの?」
育実の記憶ではまだあったはずなのだが、璃穏はなかったと言い張った。
豆腐のコーナーへ行き、豆腐を手に取って、他のものも見る。厚揚げも買おうか迷っていると、璃穏が声をかけてきた。
「いくら預かってきたの?」
「五千円だよ」
財布の中を確認すると、それは正しかった。
「璃穏君、何か買いたいものはある?」
「お、俺はいいよ!」
璃穏も好きなものを買っていいことを言われていたので、遠慮しなくていいことを伝えた。
「遠慮なんてしていないよ」
「本当?」
「うん」
璃穏は欲しいものは特にないが、聞きたい話ならある。
「育ちゃんさ・・・・・・」
「何?」
口を開いたり閉じたりしてから、続きを言った。
出入口を行き来する他の客達が二人のことをじろじろと見ていることに全く気づいていなかった。
「育ちゃん・・・・・・」
「はい・・・・・・」
ちゃんと前を見て歩くように注意をされてから、二人でスーパーの中に入った。
果物や野菜は高いものばかりなので、必要な野菜だけを買い物籠に入れた。
「高いね・・・・・・」
「そうだね。育ちゃん、豆腐は入れないの?」
育実の記憶ではまだあったはずなのだが、璃穏はなかったと言い張った。
豆腐のコーナーへ行き、豆腐を手に取って、他のものも見る。厚揚げも買おうか迷っていると、璃穏が声をかけてきた。
「いくら預かってきたの?」
「五千円だよ」
財布の中を確認すると、それは正しかった。
「璃穏君、何か買いたいものはある?」
「お、俺はいいよ!」
璃穏も好きなものを買っていいことを言われていたので、遠慮しなくていいことを伝えた。
「遠慮なんてしていないよ」
「本当?」
「うん」
璃穏は欲しいものは特にないが、聞きたい話ならある。
「育ちゃんさ・・・・・・」
「何?」
口を開いたり閉じたりしてから、続きを言った。