最大の出来事
「態度がよそよそしい」
「そんなことを言われても・・・・・・」
自分でもどうにかしたいけれど、どうしたらいいのかわからず悩み続ける。
「言いたいことがあるなら、言ったらいいんだよ。いくみんに」
「それは・・・・・・」
一桜がどんなことを言っても、育実はきちんと聞いてくれる。
それをわかっていても、一桜はまだ何をどう言ったらいいのかわからない。
「俺だったら、そうするし、そうしてほしいぜ」
「あんたと一緒にしないで」
もう少し可愛げがあればいいのに、こんな言い方をしてしまい、口を閉ざしたくなる。
「来た」
「誰がよ?」
一桜が振り返ると、育実が早足でやってきた。
「二人とも、もうすぐチャイムが鳴っちゃうよ?」
「そろそろ戻ろうと思っていたんだ」
「あの、育実!」
育実の顔を間近で見た一桜は口を開きかけて、また閉じてしまった。
遠くから璃穏が育実を呼んでいて、二人分の教科書や筆記用具を持っている。
「璃穏君!」
「次、移動教室なのに、遅れちゃうよ?」
「ありがとう」
わざわざ持ってきてくれた璃穏に礼を言い、二人で笑い合っているところを見た一桜は小さな痛みを感じた。
「一桜ちゃん、待っているから一緒に行こう」
「あ、いいよ。先に行っていて」
一桜は逃げるようにして、その場から離れて、教室へ走って行った。
「そんなことを言われても・・・・・・」
自分でもどうにかしたいけれど、どうしたらいいのかわからず悩み続ける。
「言いたいことがあるなら、言ったらいいんだよ。いくみんに」
「それは・・・・・・」
一桜がどんなことを言っても、育実はきちんと聞いてくれる。
それをわかっていても、一桜はまだ何をどう言ったらいいのかわからない。
「俺だったら、そうするし、そうしてほしいぜ」
「あんたと一緒にしないで」
もう少し可愛げがあればいいのに、こんな言い方をしてしまい、口を閉ざしたくなる。
「来た」
「誰がよ?」
一桜が振り返ると、育実が早足でやってきた。
「二人とも、もうすぐチャイムが鳴っちゃうよ?」
「そろそろ戻ろうと思っていたんだ」
「あの、育実!」
育実の顔を間近で見た一桜は口を開きかけて、また閉じてしまった。
遠くから璃穏が育実を呼んでいて、二人分の教科書や筆記用具を持っている。
「璃穏君!」
「次、移動教室なのに、遅れちゃうよ?」
「ありがとう」
わざわざ持ってきてくれた璃穏に礼を言い、二人で笑い合っているところを見た一桜は小さな痛みを感じた。
「一桜ちゃん、待っているから一緒に行こう」
「あ、いいよ。先に行っていて」
一桜は逃げるようにして、その場から離れて、教室へ走って行った。